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スタティックNAT+PATを設定する

※ 前の「シナリオ」の続きとして記載しています。
想定するネットワーク構成図


ISP から 200.10.10.8/29 のグローバルアドレスを与えられ、これを次のように使用するものとする。

    前のシナリオで、「スタティック NAT + ダイナミック NAT」をやり、これを「スタティック NAT + PAT」の設定に変更するのですが、ダイナミック NAT と PAT の違いは overload キーワードを付けるか、付けないかだけでした。アドレス等は全て同じなので、その部分の設定変更だけ行います。

  1. RT-A で、sh ip nat translations を実行後、clear ip nat translation * を実行しなさい。
  2. < RT-A >
    RT-A# sh ip nat translations
    Pro Inside global      Inside local       Outside local      Outside global
    --- 200.10.10.9        192.168.1.10       ---                ---           ← スタティック NAT によるアドレス変換エントリ
    --- 200.10.10.10       192.168.1.11       ---                ---           ← スタティック NAT によるアドレス変換エントリ
    --- 200.10.10.11       192.168.1.128      ---                ---           ← ダイナミック NAT によるアドレス変換エントリ
    RT-A# clear ip nat translation *
    RT-A# sh ip nat translations
    Pro Inside global      Inside local       Outside local      Outside global
    --- 200.10.10.9        192.168.1.10       ---                ---
    --- 200.10.10.10       192.168.1.11       ---                ---
    RT-A#
    
    ダイナミック NAT によるアドレス変換エントリがあると、設定を PAT に変更できないため、NAT テーブルをクリアしておきます。
  3. RT-A の設定をダイナミック NAT から PAT に変更しなさい。
  4. < RT-A >
    RT-A# sh run | include ip nat inside source list
    ip nat inside source list 1 pool INET
    RT-A# conf t
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    RT-A(config)# ip nat inside source list 1 pool INET overload
    RT-A(config)# ^Z
    RT-A# sh run | include ip nat inside source list
    ip nat inside source list 1 pool INET overload
    RT-A#
    
    設定は上書きされます。
  5. PC-A (192.168.1.128) から 161.14.1.10 へ ping を実行しなさい。
  6. < PC-A >
    C:\> ping -S 192.168.1.128 161.14.1.10   ← インターネット上の FTP サーバー
    
    161.14.1.10 に ping を送信しています 192.168.1.128 から 32 バイトのデータ:
    161.14.1.10 からの応答: バイト数 =32 時間 =3ms TTL=126
    161.14.1.10 からの応答: バイト数 =32 時間 =2ms TTL=126
    161.14.1.10 からの応答: バイト数 =32 時間 =3ms TTL=126
    161.14.1.10 からの応答: バイト数 =32 時間 =2ms TTL=126
    
    161.14.1.10 の ping 統計:
        パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
    ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
        最小 = 2ms、最大 = 3ms、平均 = 2ms
    
    C:\>
    
  7. RT-A で、sh ip nat translations コマンドを実行しなさい。
  8. < RT-A >
    RT-A# sh ip nat translations
    Pro Inside global      Inside local       Outside local      Outside global
    --- 200.10.10.9        192.168.1.10       ---                ---
    --- 200.10.10.10       192.168.1.11       ---                ---
    icmp 200.10.10.11:1    192.168.1.128:1    161.14.1.10:1      161.14.1.10:1
    RT-A#
    
    ダイナミック NAT の時は、保持時間が 24 時間のアドレスだけを変換するエントリがありましたが PAT にはありません。
  9. 60 秒待って再度 RT-A で、sh ip nat translations コマンドを実行しなさい。
  10. < RT-A >
    RT-A# sh ip nat translations
    Pro Inside global      Inside local       Outside local      Outside global
    --- 200.10.10.9        192.168.1.10       ---                ---
    --- 200.10.10.10       192.168.1.11       ---                ---
    RT-A#
    
    PAT によるアドレス変換エントリが NAT テーブルから削除されました。
  11. PC-C (161.14.1.128) から 200.10.10.11 宛てに ping を実行しなさい。
  12. < PC-C >
    C:\> ping -S 161.14.1.128 200.10.10.11  ← PAT のアドレス
    
    200.10.10.11 に ping を送信しています 161.14.1.128 から 32 バイトのデータ:
    10.10.10.1 からの応答: 転送中に TTL が期限切れになりました。
    10.10.10.1 からの応答: 転送中に TTL が期限切れになりました。
    10.10.10.1 からの応答: 転送中に TTL が期限切れになりました。
    10.10.10.1 からの応答: 転送中に TTL が期限切れになりました。
    
    200.10.10.11 の ping 統計:
        パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
    
    C:\>
    
    NAT テーブルに 200.10.10.11 のアドレス変換エントリがないので、アドレス変換できず ping は失敗しました。

    PAT では、NAT テーブルのアドレスだけでなくポート番号も知っていないと外部から内部へのアクセスはできませんし、使用済みの変換エントリが 24 時間も保持されることもないので、PAT の場合は外部から内部にアクセスされる可能性は極めて低くなります。