IOSのバックアップとアップデートを行う

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IOSのバックアップとアップデートを行う

ネットワーク構成図

SW-A に、ネットワーク構成図に示す通りIPアドレスとサブネットマスクを設定しなさい。

＜ SW-A ＞
Switch# conf t
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
Switch(config)# host SW-A
SW-A(config)# int vlan 1
SW-A(config-if)# ip add 192.168.1.1 255.255.255.0
SW-A(config-if)# no shut
SW-A(config-if)# ^Z
SW-A#

PC-A に、ネットワーク構成図に示す通りIPアドレスとサブネットマスクを設定しなさい。

＜ PC-A ＞
C:\> netsh interface ipv4 set address "イーサネット" static 192.168.1.2 255.255.255.0

C:\> ipconfig

Windows IP 構成

イーサネット アダプター イーサネット:

   接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
   IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.1.2
   サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
   デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .:

C:\>

PC-A から SW-A へ ping を実行しなさい。

＜ PC-A ＞
C:\> ping 192.168.1.1

192.168.1.1 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.1.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=255
192.168.1.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =2ms TTL=255
192.168.1.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=255
192.168.1.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=255

192.168.1.1 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 1ms、最大 = 12ms、平均 = 4ms

C:\>

PC-A で TFTP サーバーを利用できるようにしなさい。

Windows 8.1 の場合 (Windows 7 も同様)
標準で TFTP サーバー機能は実装していませんので、フリーソフト Poor TFTP Server を使用します。

1) Vector から zip 圧縮ファイルをダウンロードする
Poor TFTP Server のダウンロードサイト

2) ハードディスクにフォルダ (今回は「c:/Poor TFTP Server」) を作成し、その中にダウンロードした zip 圧縮ファイルを解凍し入れる

3) ptftp32 を起動し、[Overwrite?] にチェックを入れる

Windows ファイアウォールを有効にしている場合は、ブロック設定が開くので [アクセスを許可する] をクリックする

4) [Authorized Directory] が TFTP でファイルを up/down するディレクトリで、デフォルトでアプリの入っているフォルダになる

今回は変更しませんが、必要であれば変更してください。

Flash メモリ内に保存されている IOS ファイルを確認しなさい。

SW-A# sh flash:

Directory of flash:/

    2  drwx         512   Mar 1 1993 00:56:24 +00:00  c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4
  570  -rwx         106   Mar 1 1993 01:51:24 +00:00  info
  571  -rwx        1048   Mar 1 1993 00:01:08 +00:00  multiple-fs

27998208 bytes total (11726336 bytes free)
SW-A#
SW-A# dir flash:/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4
Directory of flash:/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4/

    3  -rwx         534   Mar 1 1993 00:56:24 +00:00  info
    4  drwx        5632   Mar 1 1993 00:56:24 +00:00  html
  568  -rwx       66567   Mar 1 1993 01:10:17 +00:00  dc_default_profiles.txt
  569  -rwx    11949374   Mar 1 1993 01:10:30 +00:00  c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4.bin

27998208 bytes total (11726336 bytes free)
SW-A#

show flash も Cisco ルータと同様で、Flash メモリのサイズや Flash メモリ内の IOS ファイル名を確認できます。ただし、本 Catalyst スイッチの IOS は、Flash メモリにある c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4 というディレクトリ内に IOS が格納されているので、dir コマンドで、このディレクトリ内を表示させて、格納されている IOS を確認しています。

IOS を TFTP サーバーにバックアップしなさい。

SW-A# archive upload-sw tftp://192.168.1.2/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4.tar
!
System software to be uploaded:
System Type:             0x00000000!
archiving c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4 (directory)
archiving c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4/info (534 bytes)
archiving c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4/html (directory)
archiving c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4/html/zh (directory)

           ・
           ・
           ・

archiving c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4.bin (1194937
4 bytes)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
archiving c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4 (directory)
archiving c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4/info (536 bytes)
archiving info (107 bytes)
SW-A#

192.168.1.2 が TFTP サーバー (PC-A) のIPアドレスで、c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4.tar がバックアップする IOS の tar ファイル名です。IOS ファイル名 c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4.bin の拡張子を tar に変更したものです。

Cisco ルータのように copy コマンドで IOS ファイルのみをバックアップすることもできますが、Catalyst スイッチでは今回行った archive upload-sw コマンドでのバックアップが推奨されています。sh flash コマンドや dir flash:/… コマンドで確認したように、Catalyst スイッチの Flash メモリには IOS だけが入っているわけではなく、HTTP でアクセスできるように HTML ファイルなどもあります。通常、Catalyst スイッチの Flash メモリのバックアップを取る場合、これらもまとめて tar ファイルとしてバックアップします。

また、Catalyst スイッチの IOS のアップデートファイルは、Cisco から IOS 単体でも提供されていますが、HTML ファイルなども含めた tar ファイルでも提供されています。そして、Cisco では IOS をアップデート (リストア) する場合、この tar ファイルを使った archive download-sw コマンドを推奨しています。

以前は、Catalyst スイッチの IOS のバックアップには archive tar /create コマンドが、アップデート (リストア) するには archive tar /xtract コマンドが使われていましたが、copy コマンド同様これらのコマンドも現在は推奨されていません。

最初、PC の TFTP サーバーは tftpd32 でやっていたのですが、何故か、TFTP サーバーへのアップロードができない。

SW-A# archive upload-sw tftp://192.168.1.2/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4.tar
!
System software to be uploaded:
System Type:             0x00000000.....
unable to write tar archive.....
SW-A#

接続上の問題はなく TFTP サーバーも動作し、copy コマンドや archive tar /create では TFTP サーバーへアップロードできます。
しかたがないので TFTP サーバーを Poor TFTP Server に変更してみたらなんなく成功。う～ん、わからん。

他に 64bit 版もある TFTPD というソフトも使用できましたが、このソフトはタスクトレイ常駐型で、タスクトレイからいつの間にかアイコンが消え設定変更ができなくなるというトラブルがありましたので今回は NG。またちょっと意外なところで BlackJumboDog というネットワークサーバー複合ソフトの TFTP サーバーも使用できました。ただし、ちょっとだけ設定が面倒。ソフトが自分の嫌いなインストーラタイプなので確認はしていませんが、有名どころ (ただし、かなり古い) の 3CDaemon も使用できるようです。

ちなみに、他のシナリオで使用している Serva の TFTP サーバーはダメでした。

PC に IOS ファイルがバックアップされていることを確認しなさい。

PC-A に c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE4.tar ファイルがあることを確認します。
[Authorized Directory] で指定したフォルダ内にファイルは保存されています。

Cisco サイトから SW-A の最新版 IOS (tar ファイル) をダウンロードし、Poor TFTP Server の Authorized Directory に入れなさい。

Catalyst スイッチの IOS のアップデートは無償で提供されていますので、Cisco サイトにユーザ登録さえすればダウンロードすることができます。ただし、Feature Set の異なるものへのアップグレードは有償です。ここで使用している Catalyst スイッチの IOS よりも新しい c2960-lanbasek9-tar.150-2.SE5.tar を Cisco サイトよりダウンロードし、Poor TFTP Server の Authorized Directory に入れました。

SW-A の IOS をアップデートしなさい。

SW-A# archive download-sw /overwrite tftp://192.168.1.2/c2960-lanbasek9-tar.150-2.SE5.tar
Loading c2960-lanbasek9-tar.150-2.SE5.tar from 192.168.1.2 (via Vlan1): !!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
[OK - 15974400 bytes]

           ・
           ・
           ・

extracting c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5/html/legend.htm (6645 bytes)
extracting c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5/html/reset.htm (6490 bytes)
extracting c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5/html/back.htm (515 bytes)
extracting c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5/dc_default_profiles.txt (63880 bytes)
extracting info (106 bytes)
[OK - 15974400 bytes]


Installing (renaming): `flash:update/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5' ->
                                       `flash:/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5'
New software image installed in flash:/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5


extracting dc profile file from "flash:/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5/dc_default_
profiles.txt" to "flash:/dc_profile_dir/dc_default_profiles.txt"
All software images installed.
SW-A#

/overwrite は Flash メモリ内にある既存の IOS を削除して新しい IOS を書き込むオプションで、既存の IOS に新しい IOS を追加する場合は /leave-old-sw オプションを使います。

Flash メモリ内に保存されている IOS ファイルを確認しなさい。

SW-A# sh flash:

Directory of flash:/

  572  drwx         512   Mar 1 1993 06:30:06 +00:00  c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5
  570  -rwx         106   Mar 1 1993 00:55:33 +00:00  info
  571  -rwx        1048   Mar 1 1993 00:01:09 +00:00  multiple-fs
  567  drwx         512   Mar 1 1993 06:30:07 +00:00  dc_profile_dir

27998208 bytes total (11891200 bytes free)
SW-A#
SW-A# dir flash:/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5
Directory of flash:/c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5/

    4  -rwx    11787969   Mar 1 1993 07:17:32 +00:00  c2960-lanbasek9-mz.150-2.SE5.bin
    5  -rwx         534   Mar 1 1993 07:21:48 +00:00  info
    6  drwx        5632   Mar 1 1993 07:21:48 +00:00  html

27998208 bytes total (11891200 bytes free)
SW-A#

IOS が新しいものに置き換わっています。