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RIPネットワークにおける異なるメジャーネットワークでの自動集約 <2>

ネットワーク構成図
次の構成図には、192.168.1.0、192.168.2.0、192.168.3.0 の3つのメジャーネットワークがあります。

  1. RT-A、RT-B、RT-C をネットワーク構成図に示す通り設定し、合わせて必要な RIP の設定も行いなさい。
  2. < RT-A >
    Router# conf t
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    Router(config)# host RT-A
    RT-A(config)# int lo0
    RT-A(config-if)# ip add 192.168.1.1 255.255.255.128
    RT-A(config-if)# int f0/1
    RT-A(config-if)# ip add 192.168.1.129 255.255.255.128
    RT-A(config-if)# no shut
    RT-A(config-if)# router rip
    RT-A(config-router)# network 192.168.1.0
    RT-A(config-router)# ^Z
    RT-A#
    
    < RT-B >
    Router# conf t
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    Router(config)# host RT-B
    RT-B(config)# int lo0
    RT-B(config-if)# ip add 192.168.2.1 255.255.255.128
    RT-B(config-if)# no shut
    RT-B(config-if)# int f0/0
    RT-B(config-if)# ip add 192.168.1.130 255.255.255.128
    RT-B(config-if)# no shut
    RT-B(config-if)# int f0/1
    RT-B(config-if)# ip add 192.168.2.129 255.255.255.128
    RT-B(config-if)# no shut
    RT-B(config-if)# router rip 
    RT-B(config-router)# network 192.168.1.0
    RT-B(config-router)# network 192.168.2.0
    RT-B(config-router)# ^Z
    RT-B#
    
    < RT-C >
    Router# conf t
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    Router(config)# host RT-C
    RT-C(config)# int lo0
    RT-C(config-if)# ip add 192.168.3.1 255.255.255.128
    RT-C(config-if)# no shut
    RT-C(config-if)# int f0/0
    RT-C(config-if)# ip add 192.168.2.130 255.255.255.128
    RT-C(config-if)# no shut
    RT-C(config-if)# router rip 
    RT-C(config-router)# network 192.168.2.0
    RT-C(config-router)# network 192.168.3.0
    RT-C(config-router)# ^Z
    RT-C#
    
  3. Lo0 のIPアドレスを使って、RT-A から RT-B の Lo0 へ ping を実行しなさい。
  4. RT-A# ping 192.168.2.1 source 192.168.1.1  ← 192.168.1.1 が RT-A の Lo0 のIPアドレス
    Type escape sequence to abort.
    Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.2.1, timeout is 2 seconds:
    Packet sent with a source address of 192.168.1.1
    !!!!!
    Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 1/2/4 ms
    RT-A#
    
    ping で送信元を指定する場合、拡張 ping を使用します。
  5. Lo0 のIPアドレスを使って、RT-A から RT-C の Lo0 へ ping を実行しなさい。
  6. RT-A# ping 192.168.3.1 source 192.168.1.1
    Type escape sequence to abort.
    Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.3.1, timeout is 2 seconds:
    Packet sent with a source address of 192.168.1.1
    !!!!!
    Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 1/2/4 ms
    RT-A#
    
  7. RT-A のルーティングテーブル (RIP) を表示させなさい。
  8. < RT-A >
    RT-A# sh ip route rip | begin Gateway
    Gateway of last resort is not set
    
    R     192.168.2.0/24 [120/1] via 192.168.1.130, 00:00:10, FastEthernet0/1
    R     192.168.3.0/24 [120/2] via 192.168.1.130, 00:00:10, FastEthernet0/1
    RT-A#
    
    RT-A のルーティングテーブルでは
     192.168.2.0/25 と 192.168.2.128/25 が集約されて 192.168.2.0/24 に
     192.168.3.0/25 が集約されて 192.168.3.0/24 に
    なっています。
  9. RT-B のルーティングテーブル (RIP) を表示させなさい。
  10. < RT-B >
    RT-B# sh ip route rip | begin Gateway
    Gateway of last resort is not set
    
          192.168.1.0/24 is variably subnetted, 3 subnets, 2 masks
    R        192.168.1.0/25 [120/1] via 192.168.1.129, 00:00:08, FastEthernet0/0
    R     192.168.3.0/24 [120/1] via 192.168.2.130, 00:00:14, FastEthernet0/1
    RT-B#
    
    RT-B のルーティングテーブルでは
     192.168.2.0/25 は集約されずに 192.168.2.0/25 のままで
     192.168.3.0/25 は集約されて 192.168.3.0/24 に
    なっています。
  11. RT-C のルーティングテーブル (RIP) を表示させなさい。
  12. < RT-C >
    RT-C# sh ip route rip | begin Gateway
    Gateway of last resort is not set
    
    R     192.168.1.0/24 [120/1] via 192.168.2.129, 00:00:17, FastEthernet0/0
          192.168.2.0/24 is variably subnetted, 3 subnets, 2 masks
    R        192.168.2.0/25 [120/1] via 192.168.2.129, 00:00:17, FastEthernet0/0
    RT-C#
    
    RT-C のルーティングテーブルでは
     192.168.1.0/25 と192.168.1.128/25 が集約されて 192.168.1.0/24 に
     192.168.2.0/25 は集約されずに 192.168.2.0/25 のままに
    なっています。
    今回は集約しないパターンが出ていました。
    これは以下の黄色い部分に該当するからです。
    ■ RT-A が RIPv1 アップデートを送信する時
    RT-A は、RT-B にアップデートを送信する前に、次の項目をチェックします。

    送信するサブネット情報がアップデートを送信するインターフェイスと同じメジャーネットワークの一部か?

     → NO。RT-Aは、サブネット情報を自動集約し、集約したネットワークを送信する。

     → YES。送信するサブネット情報は、アップデートを送信するインターフェイスと同じサブネットマスクか?
       → YES。RT-Aは、集約せずに送信する。
       → NO。RT-Aは、サブネット情報を破棄し、送信しない。
    ■ RT-B が RIPv1 アップデートを受信する時
    RT-B がアップデートを受信した時に、次の項目をチェックします。

    受信したルート情報はアップデートを受信したインターフェイスと同じメジャーネットワークの一部か?

     → YES。RT-B は、このルート情報に受信したインターフェイスと同じサブネットマスクを適用する。

     → NO。RT-B に、受信したルート情報と同じメジャーネットワークのサブネットがあるか?
       → NO。受信したルート情報にクラスフルなサブネットマスクを適用する。
       → YES。受信したルート情報を破棄する。


    RT-A は、送信しようとしているサブネット情報 192.168.1.0/25 が、アップデートを送信するインターフェイス F0/1 のネットワーク 192.168.1.128/25 と同一のメジャーネットワークにあるかどうかを確認します。これらのメジャーネットワークは同じ 192.168.1.0 です。また、サブネットマスクも /25 で共通ですので、RT-A は集約せずに RT-B にこのサブネット情報を送信します。ただし、RIPv1 はサブネットマスクを付けずに送りますので、RT-B に送信するルート情報は 192.168.1.0 になります。



    RT-B はこれを RIP アップデートで受信します。RT-A から受信したルート情報 192.168.1.0 は、アップデートを受信したインターフェイス F0/0 とメジャーネットワークが共通 (192.168.1.0) ですので、F0/0 と同じサブネットマスク /25 をこれに適用します。

    シナリオ「RIP ネットワークをサブネット化する」で、ルーティングテーブルにサブネット化された RIP ルート (RIP で学習したルート) が載っているのは、このパターンで学習したルートです。(受信したインターフェイスのサブネットマスクを適用する)