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購入を前提に実機を選定する

本ラボ・シナリオでは、ルータラボの OSPF の一部と、WAN ラボのフレームリレーでルータ4台以上を使用していますが、
基本的にはルータ3台持ちを想定したシナリオになっています。
したがって、ルータを購入するなら3台は欲しいところですが、最低2台でもルーティングの学習は可能です。
また、スイッチも3台持ちを想定したシナリオになっておりますが、2台でもスイッチングの学習は可能です。

したがって、ルータ2台、スイッチ2台が最低必要な台数になります。
もし、ルータとスイッチのどちらかしか購入できない場合は、ルータを購入しましょう。
ラボ・シナリオの量を見てもわかるように、ルータの方が設定する内容は断然多いです。
まずは、ルータを購入して、後から必要になった場合にスイッチを購入するのもありだと思います。

では、どの機種を購入すべきか?
その前に、自宅で使用することを前提に、ルータやスイッチの必要条件を挙げてみます。
番号の若い順に優先順位が高いと考えています。
● Cisco ルータ
 1) 拡張スロットがあること
 2) FastEthernet が標準で付いていること
 3) 静音であること
 4) 安価であること
 5) 小型であること
 6) IOS が 15.0 以上であること

今の CCNA 試験ではシリアルはかかせませんし、通信会社の回線サービスに専用線がある以上、シリアルはなくならないと思います。そのため、Cisco ルータにはシリアルインターフェイスを追加できる拡張スロットは必須でしょう。実際にシリアルインターフェイスを追加するかどうかは別にして、追加できるかどうかは重要です。古い古い古い機種を除いて、Cisco ルータはシリアルインターフェイスを標準搭載していません。

2つ目の「FastEthernet が標準で付いていること」は特に問題ではないでしょう。余程、古い古い古い機種でなければ FastEthernet は標準で搭載されています。最新機種では GigabitEthernet が搭載されているものもあります。「静音」「安価」「小型」は特に異存はないと思います。本来は拡張性の高いものがいいと思いますが、「拡張性が高い」=「大きい」=「うるさい」ですので、拡張スロットが2スロット程度の小型のものがお勧めです。

最新の CCNA 試験では IOS は 15.X が対象ですので、「IOS は 15.0 以上の機器」が最適ですが、現時点 (2013/08) でのオークションではほとんどの機器が IOS12.X のものばかりです。もちろん、15.X のものもありますが、他と比べると高価です。IOS12.X でも使えないわけではないので、財布と相談して決めるといいと思います。
● Catalyst スイッチ
 1) 静音であること
 2) 安価であること
 3) 小型であること

Catalyst スイッチにはシリアルインターフェイスはありませんので、Catalyst スイッチには拡張性は必要ありません。「静音」「安価」「小型」の三拍子のものをチョイスしましょう。

Cisco 認定公式ガイドを見ると、最新の CCNA 試験での対象機器は、ルータは Cisco 2901 で、L2スイッチは Catalyst 2960 のようです。Catalyst 2960 はどうにか手の届く範囲ですが、Cisco 2901 は新し過ぎて現時点 (2013/08) ではまだヤフオクには出品されておらず、個人で購入できる範囲のものではありません。

そこで、ここでのお勧めは、このラボ・シナリオ作成に使用している Cisco 1841 と Catalyst 2960-8TC-L です。ただこれらはヤフオクでもまだ金額が高いので、Cisco 1721 と Catalyst 2940-8TT-S を2番候補としてお勧めします。
ルータ: Cisco 1841

● 良い点
 1) 2つの拡張スロットがある
 2) 2つの FastEthernet ポートがある
 3) 一般的な Cisco デバイスの中では、比較的コンパクト
 4) IOS15.0 以上を搭載したものがある

● 悪い点
 1) 比較的高価、特に IOS15.0 以上を搭載したもの
 2) うるさいほどではないが FAN の音はする

### 2014/10/17 追記 ###
これを書いた時点ではオークションの出品価格がかなり高かったのですが、今ではタイミングが合えば安く落札できますので、次の Cisco 1721 よりお勧めです。

ルータ: Cisco 1721

● 良い点
 1) 2つの拡張スロットがある
 2) 1つの FastEthernet ポートがある
 3) 横幅が下の Catalyst スイッチとほぼ同じでコンパクト
 4) FAN 付であるが、FAN の音が全くせず非常に静音
 5) 非常に安価

● 悪い点
 1) IOS が 12.X まで

### 2014/04/01 追記 ###
これを書いた時点ではオークションに大量に出品されていた Cisco 1721 ですが、残念ながらもうほとんど出品されず、出品されていても価格が大幅に高くなっていますので、今から Cisco 1721 を購入するのは得策ではないと思います。

L2スイッチ: Catalyst 2960-8TC-L

● 良い点
 1) FAN レスで静音
 2) 非常にコンパクト
 3) 8つの FastEthernet ポートと1つの GigabitEthernet がある
 4) IOS15.0 以上を搭載できる

● 悪い点
 1) ヤフオクへの出品件数が少ない
 2) 出品件数が少ないので、落札価格が高くなりがち

L2スイッチ: Catalyst 2940-8TT-S

● 良い点
 1) FAN レスで静音
 2) 非常にコンパクト
 3) 8つの FastEthernet ポートと1つの GigabitEthernet がある
 4) 非常に安価

● 悪い点
 1) IOS が 12.X まで


ルータやスイッチ以外に、コンソールケーブルや USB-シリアル変換ケーブル、必要に応じて、シリアルインターフェイスカードや Back to Back クロスオーバーケーブル、Ethernet ケーブルが必要になります。それぞれ個別に送料がかからないよう、ルータやスイッチと一緒にヤフオクで落札できればしておいた方がいいでしょう。
コンソールケーブル (ロールオーバーケーブル)

Cisco ルータ / Catalyst スイッチを設定するために必要なケーブルで、このケーブルで Cisco ルータ / Catalyst スイッチのコンソールポートと PC の RS232C シリアルポートを接続します。
No brand コンソールケーブル(RJ45-DB9)

USB-シリアル変換ケーブル

最近の PC で RS232C シリアルポートを持っているものはほぼ皆無です。そのため、上のコンソールケーブルはそのままでは PC に接続することができません。そのため、RS232C シリアルインターフェイスを USB に変換するケーブルを使って、PC の USB ポートに接続します。
iBUFFALO USBシリアルケーブル 0.5m

USB-シリアル変換機能付きコンソールケーブル

上の「コンソールケーブル」に「USB-シリアル変換ケーブル」の機能がくっついたようなケーブルで、片側が USB でもう片側が RJ45 になっています。これなら1本のケーブルで PC の USB ポートと、Cisco ルータや Catalyst スイッチのコンソールポート (RJ45) を接続することができて便利です。更に、価格も amazon で 1,980円 (2015/05/05現在) と上の2本を揃えるよりもリーズナブルです。
[CISCO互換ケーブル] FTDI chipset USB RJ45 コンソールケーブル

シリアルインターフェイスカード: WIC-1T

もしルータにシリアルポートを増設するなら、シリアルインターフェイスカードが必要になります。現在手頃で購入できるシリアルインターフェイスカードは WIC-1T と WIC-2T ですが、ヤフオクでは WIC-1T の方が断然多く出品されています。しかし、それでもルータやスイッチの出品数と比べて段違いに少ないため価格はかなり高めです。また、この他に Back to Back クロスオーバーケーブルも必要になります。

Back to Back クロスオーバーケーブル: DB60 to DB60

上記シリアルインターフェイス WIC-1T 同士を接続する時に必要になるケーブルです。長いケーブルと短いケーブルがありますが、自宅ラボで使うなら短いケーブルがお勧めです。ただし、短すぎてケーブルが届かない場合がありますので、その点は注意が必要です。

シリアルインターフェイスカード: WIC-2T

2ポート搭載のシリアルインターフェイスカードで、実装効率は高いのですが、ヤフオクでは多くは出品されておりません。また、これ専用の Back to Back クロスオーバーケーブルも必要になります。

Back to Back クロスオーバーケーブル: Smart Serial to Smart Serial

上記シリアルインターフェイス WIC-2T 同士を接続する時に必要になるケーブルです。これもヤフオクでは多くは出品されておりません。WIC-1T と WIC-2T を結ぶケーブルはまた別にあります。自宅ラボで使う場合、どちらか一方に統一した方が便利です。

Ethernet ストレートケーブル: フラットタイプ

たくさんの機器があれば、機器同士の距離が離れることもあるかと思いますが、そんなに台数がなければ全ての機器を近くに置いておくと思います。それであれば、Ethernet ケーブルも短い方がベストです。よく売ってる長さの 1m は長すぎ、30cm くらいがいいと思いますが、そのくらいの長さのものはなかなかないので、50cm くらいが手頃でしょうか。そして絶対にフラットケーブルがいいと思います。見た目もいいし、取り回しが楽。
SANWA SUPPLY カテゴリ6フラットクロスケーブル 0.5m

Ethernet クロスケーブル: フラットタイプ

最近の機器には AUTO-MDIX 機能が付いていて、ストレート/クロスケーブルの自動判別をしてくれるので、通常はストレートケーブルだけを持っていればいいのですが、Cisco 機器の中には AUTO-MDIX 機能のないものもあるし、ストレートケーブルを使うか、クロスケーブルを使うかの選別も CCNA の試験の範囲に入っていますので、クロスケーブルも持っていて、実際の接続でも、どちらのケーブルで接続すべきかを考えながら接続するといいと思います。

同じ色のケーブルだと区別がつかなくなります (実際にはピンアサインを見ればわかりますが) ので、ストレートが白ならクロスは黒、という感じでケーブルの色を分けて購入することをお勧めします。
SANWA SUPPLY カテゴリ6フラットクロスケーブル 0.5m